こんにちは、みなみです。
まだ10代のころに、筒井康隆氏のSF小説をよく読んでいました。
なかでも「家族八景」という作品を覚えています。
この作品は、人の心が読める超能力をもつ少女が、住み込みのお手伝いさんとして8つの家庭を転々とするストーリーです。
めちゃめちゃおもしろかったので、今回は、nTech(認識技術)とつなげて、人の心を読む超能力(テレパシー)についてまとめてみようと思います。
人の心が読める超能力(テレパシー)の可能性
筒井康隆氏の作品は、人間の心理をなまなましく描いてるものが多く、その心理の複雑さを体感したいかたにはオススメです。
男と女の醜い感情
「家族八景」は一般家庭の抱える心の闇や、家族の心象風景を細かく描くことで、人間の愚かさや恐ろしさを浮き彫りにしている作品です。
たとえば、食卓でくり広げられる表面的な会話と裏の心のやり取りなどは、人間の欲求・欲望・嫉妬などの心理をリアルにあらわしています。
夫婦・親子間の男女の醜い感情のサンプルが並んでるように思えて、よい教材になりそうな気もします。(笑)
ホント、人間ってこんな感じだよなぁ(苦笑)
と、思うとともに、ときに「死の瞬間」の意識まで描写する表現力には圧巻のひと言です。
超能力者(テレパス)はいるのか?
この本を読んで以来、わたしはたまに「人の心が読める超能力者(テレパス)はいるのか?」と思うことがあります。(笑)
もしかしたら、隣の人がそうかも。。
とか。(笑)
もちろん、5感の精度が人よりも鋭くて、ふつうの人にはみえないものを感じてしまう。
なんて人はいると思います。
が、この作品の主人公のように、ハッキリと人の意識(脳)をのぞき、同じ感覚になれるようなテレパス(精神感応能力者)は、やはりいないでしょう。
もし人の心が読めたら?
もし、人の心がすべて読めてしまったら?
たとえば、表に出さない「憎悪」や「卑猥な感情」などもみえてしまうので、まちがいなく人間不信になるでしょう。
どんな人にも二面性(本音と建前)があり、それらの感情が一気になだれ込んでくるわけですから。。(汗)
精神が崩壊してしまうかもしれません。(笑)
心ではなく「脳」である
それに人の「心」が読めるといっても、それは心理学的な心であって、厳密には「脳」のことです。
脳機能には特性があり、それをひと言であらわすと「分断」!
脳は分断をつくることで目の前の出来事を認識できるようになります。
ちなみに、脳機能の特性については「認識の3要素」としてコチラにまとめています。
【nTechの理解】認識の3要素(主体・客体・背景)とは?だから、人間一人ひとりの心(脳)も分断してるのが当たり前。
分断してるからこそ「脳」なんです。
つまり、テレパシーは脳の特性に反してる!ということ。
もし、可能性があるとしたら、5感(脳)以外の感覚が発達していなければなりません。
アイデンティティの危機
とは言え、科学技術が進歩すれば、テレパシーに近いことはできるようになると思います。
そもそも人間の頭でイメージできる程度の世界なら、いつか実現できるはずです。
たとえば、人の意識をダウンロードしてAIにつなげるとか。。そういった研究は進んでると思います。
が、そうなったらなったで、さまざまな課題があり、最終的には哲学の難題が待ち受けているでしょう。
つまり、自分とはなにか?
人と人の意識がつながれば、どこからどこまでが自分なのか?
自分と相手の境界線がなくなり、アイデンティティの危機が訪れます。
科学技術のアプローチの限界
今の「科学」は、どんなに進歩しても「哲学」と融合することはできません。
なぜなら、科学技術の認識アプローチは「脳」を基準にしているからです。
科学のアプローチは、認識の主体と対象をわけて。。さらに目の前の対象物をわけてわけて。。細かく分断することで真理を探究しようとします。
だから、永遠に哲学の難題を解決することはできないし、本質的にテレパシーを実現することも不可能です。
超能力(テレパシー)の可能性
もし、可能性があるとしたら、その条件はただひとつ!
それが、nTech(認識技術)です。
つまり、科学技術が進歩する以前に、人間の認識が進化しなければならないということ。
逆に言うと、nTechを取り入れれば、将来、SFの世界を実現できるかもしれないってことです。
少なくともテレパシーの可能性は、5感(脳)以外の感覚が発達しなければ実現不可能。
その感覚をnTechでは「心感覚」と呼んでいます。
sTech(科学技術)とnTech(認識技術)のアプローチの違いは、コチラにまとめています。
【ラプラスの悪魔】決定論と自由意志論の矛盾は解消できる?まとめ
ここまでの話をまとめます。
- 「家族八景」は男と女の醜い感情のサンプル。
- 脳機能の特性は「分断」である。
- 脳は分断をつくることで目の前の出来事を認識する。
- テレパシーは脳の特性に反している。
- 科学技術が進歩した先には哲学の難題(自分とはなにか?)が待っている。
- 今の科学のアプローチでは、永遠に哲学の難題を解決することはできない。
- 科学技術が進歩する以前に、人間の認識が進化しなければならない。
- 5感(脳)以外の「心感覚」が発達すること。
以上、人の心が読める超能力(テレパシー)の可能性についてでした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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