こんにちは、みなみです。
わたしは小学5年の夏にはじめて泳げるようになりました。
学校のプールの時間だったんですけど、そのときの先生の教え方がとても印象に残っています。
いつかブログに書きたいと思っていたので、今回まとめてみました。
はじめて泳げるようになったときの話
その先生の名前はぜんぜん覚えてないんですけど(笑)やさしそうな女の先生でした。
担任の先生ではなく、おそらくほかのクラスの副担任だったような気がします。
ふだんは接点がなく、たまたまその時間だけ一緒になった先生です。
金づち組
わたしはプールの時間がイヤでイヤでたまりませんでした。
それでも学校を休むわけにはいかない(それが当たり前だった)のでイヤでも泳ぐ練習をしました。
プールの時間はレベルによって3組にわかれます。
- イルカ組(25m以上泳げる人)
- メダカ組(15m以上泳げる人)
- 金魚組(それ以外の人)
わたしは、0mだったので「金魚」ではなく「金づち」だろってよく言われていました。(笑)
プールがキライ
そもそも、わたしは泳げるようになりたいなんて思っておらず、なんとかプールの時間をやり過ごすことで頭がいっぱいでした。(笑)
ときには、わたしと同じ「金づち組」の子が、男の先生に無理やりプールに放り込まれることもあり、そういうのをみてると怖くてたまりませんでした。
当時はそれがふつうでしたけど、今ならきっと大問題ですよね?
とにかくプールの時間は練習のフリをずっとしていました。(苦笑)
ほかの先生との違い
練習はビート板を使ったり、先生に手をとってもらいながら泳いだり、そんな感じです。
で、そのやさしそうな女の先生の指導のもと、いつものように練習のフリをするわけなんですが(笑)その先生は、ほかの先生とはちょっと違いました。
まずはじめに、わたしの「意志」を確認したんです。
真剣な顔でわたしの目をみて言いました。
泳ぎたい意志と決断
わたしはそこで本音を言えるタイプの子ではありません。
なので「うん」ってうなずいたんです。(苦笑)
で、そのあと。。
みたいなことを言われたんです。(汗)
つまり、宣言をさせられたんですね。
正直、言わされた感はありましたけど(笑)今思うと泳げるように「なりたいか/なりたくないか」で言ったら、やっぱりなりたいですよね?
だから、わたしの無意識にはまちがいなく意志はあったんですよ。
きっと先生はその意志をみていたんだと思います。
小さな成功体験と信頼の海
そのあと、わたしは先生に手をとってもらいながら足をバタバタさせて何往復かしました。
そのとき、先生はすごくほめてくれたんですよね。(笑)
わたしのなかに先生への信頼が生まれます。
たった数十分の間で小さな成功体験を積ませてくれたんです。
一回一回ほめてくれて、じょじょに手をとってくれる力が弱まっていきます。
そして、最後のほうは、ただ先生の手のひらに触れてるだけで事実上ひとりで泳いでる状態になりました。
わたしは「運動」そのものはキライではなく、むしろ好きなタイプです。
一度、波に乗っちゃえばどんどん上達するって感覚もありました。
そうなんです。
わたしは最初の一歩が踏み出せず、飛び込む勇気がなかっただけなんです。
合法的なウソ!?
おそらく、その先生は「この子は飛び込む勇気がないだけ」って気づいていたはずです。
ていうか、人間の身体はみんな水に浮かぶのでそれしかないですよね。(笑)
で、最後の最後には、先生が両手のひらをわたしに向けて「ハイっ」て言ったんです。
いかにも受け止めてあげるから飛び込んでおいでと言わんばかりの表情です。
わたしはそこまでの流れもあって、ごく自然に先生の手をめがけて(つかまろうと)飛び込みました。
そしたらつぎの瞬間、わたしの目には真っ青なプールの底がみえ、浮かんでいたんです。
そのときのフワッとした感覚とキラキラした光景は今でも忘れられません。
そう。
先生は、わたしが飛び込んだ瞬間にサッと両手を外したんです。
わたしは先生の手につかまることなく結果的にひとりで飛び込んだカタチになりました。
と、先生が満面の笑みでこっちをみます。
すごくよろこんでくれました。
そして。。
と、笑いながら言いました。
やればできる!
まさに合法的なウソとも言える強引なやり方で、わたしは生まれてはじめて飛び込めたんです。
まさかホントにその日のうちに泳げるようになるなんて思ってもいなかったので、自分でも驚きました。(笑)
ポイントは3つ
わたしが泳げるようになったポイントは3つです。
- 決断(本人の意志)
- 信頼(小さな成功体験)
- 強行(合法的なウソ)
わたしは、先生がはじめに「意志」を確認してくれたことが、いちばん大きいと思っています。
意識では泳げるようになりたいなんて思っていませんでした。
どうせまたダメだろうって。。(苦笑)
でも、わたしの無意識にかくれていた意志をみて呼び起こしてくれたんです。
そして、何回もほめてくれて、たった数十分の間に小さな成功体験を積ませてくれたこと。
そこで先生への信頼が生まれたことも大きいです。
流れをつくってくれたというか、信頼の海をつくってくれた感じです。
わたしは、その信頼の海がなければ、まちがいなく飛び込もうとは思わなかったです。
そして、決定的なのは合法的なウソによって、なかば強引に飛び込まされたことです。(笑)
とは言え、本人には強引に「やられた感」はなく、むしろみずから「飛び込んでる感」を味わえました。
ココも人を育てる大きなポイントだと思います。
先生がわたしの手をよけたシーンだけを切りとると、無理やりプールに放り込まれたのと同じです。
もし、信頼の海がないなかで同じことをされたら「恐怖」と「失望」しか残りません。
でも、信頼の海があることで、わたしは安心してチャレンジできたんです。
さいごに
今回のお話は、人を育てる立場にあるすべての人に共通する話だと思います。
本人の意志をいちばんに考え、信頼をつくり、タイミングをみて背中を押す。
教育のキホンですよね。
その先生は今どこでなにをしてるんでしょう?
年齢的にはもうすっかりおばあちゃんですね。
名前も覚えていないし、たった数十分の間だったけど、わたしにとっては貴重な経験をさせてくれたまさに「先生」です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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