字源の世界と「サイ」のものがたり。真・武・言の意味とは?

こんにちは、みなみです。

数年前「字源の世界」というイベントに参加したことがあります。

漢字の成り立ちとその裏に隠された意味をひも解いていく、とてもおもしろい内容でした。

今回は、そのときに教わった3つの文字の「字源」をnTech(認識技術)の価値観とつなげてご紹介します。

字源の世界と「サイ」のものがたり

字源の世界の魅力は、源泉の意志に想いを馳せられるところにあります。

脈々と伝わる大きな時代の流れの「源」にはなにがあったのか?

想像するだけでも楽しいです。(笑)

「真」の字源

「真」の字源は「首」を逆さづりにした形からきているそうです。

つまり「死体」です。

死んだ人を埋葬し、霊力を得ることから「まこと」の意味がついたとのこと。

白川フォント(真-古文、真-篆文)

「死体」というと怖いイメージがありますが、わたしはこの話を聞いたときにとても感動しました。

nTech(認識技術)では、自分と自分がみているこの世界は実在しない!

この現実はバーチャル(仮想)だと規定しているからです。

自分は実在していない

nTechの世界観では、現実の対義語は「真実」です。

すなわち、”本物”、”正しい”、”実在” などの意味で使われる「真」の字はまさに。。

自分(の体)は実在しない!

という裏の意味が含まれてると思ったからです。

真実は得るものではなく失うもの!

すべてをゼロ化しなければ、なんにもはじまらないというメッセージだと思います。

「武」の字源

「武」の字源は、諸説あるようですが。。

戈(ほこ)」を「」めるという解釈がわたしは好きです。

白川フォント(武-甲骨、武-金文、武-篆文)

サムライは簡単には刀を鞘(さや)から抜かない。

しかし、やむを得ず抜かなければならないときは一刀両断!瞬殺で仕留める。みたいな。。(笑)

ハンパなことをしないサムライ感覚が「武」という字に宿ってるように思います。

自由な解析でいい

どうやら専門家の間ではこの解釈は主流ではないようなんですが、過去の事実にもとづいた研究も「一解釈」にすぎないとわたしは思っています。

人間(の脳)はついつい、なにが正しいのか? 正解を求めてしまうもの。

でも、こういう話は正解なんてだれもわからないので諸説あってしかるべきです。

いちばん大事なのは過去の「解釈」ではなく、未来に向けてみずからがどう「解析」するのか?

そもそもこの世界は実在しないんですから、どんな夢を描くのかは自由です。

「言」の字源

「言」の字源は、神への誓いを意味するそうです。

「言」は、”辛” と ”口” を組み合わせた形です。

白川フォント(言-甲骨、言-金文、言-篆文)

”辛” は入れ墨に用いる針をあらわし、”口” は祝詞(のりと)をおさめる器をあらわします。

つまり「言」とは、心にあるものを誓い、違約すれば針で罰を受ける。

それなりの覚悟と意志がともなった「盟誓の辞」ということになります。

盟誓の辞

どこからなにを言う(表現する)のか?

どんな自分になってなにをするのか?

はじめに言(ことば)があった。言は神と共にあった。。

盟誓の器の中になにを収めるのか?

言は神であった。。

サイの発見

“言“ の字を構成する「口」は、目・耳・鼻・口の「くち」ではなく、神さまへのお祝いの言葉を入れる器(サイ)です。

白川フォント(口-甲骨、口-金文、口-篆文)

じつは、およそ2000年間、ずーっと「くち」と解釈されてたんですが、漢文学者の白川静先生によって、新しい解釈となる「サイ」が発見されました。

「口」のつく漢字は、告・名・聖・問・古・和・命・君・吉・各・右  などなど。

数えきれないほどたくさんあります。

しかし、これらをすべて「くち」と解釈したのでは、多くの字の成り立ちが説明できないことも知られてました。

たとえば。。

「告」は「が人になにかを訴えるためにをすり寄せている」とか。。

「名」は「べになると暗いのでで名乗っている」とか。。

ちょっと無理があるというか。。「くち」とつなげて強引に解釈してるようにわたしには思えます。(笑)

「サイ」の発見により、多くの疑問や矛盾が解消されました。

たとえば。。

「告」の字源

「告」は、神木の枝にサイをつなげて神に告げ、訴えること。

白川フォント(告-甲骨)

※サイの上にあるのは「牛」ではなく「木の枝

「名」の字源

「名」は、子が生まれて名をつけるとき、祈りの言葉をサイに収め、を添えて告げる儀礼のこと。

白川フォント(名-金文)

※サイの上にあるのは「夕」ではなく、お供えものの「

「くち」という解釈より、こっちのほうが納得感ありませんか?(笑)

「サイ」の発見によって、漢字の成り立ちに納得のいく説明ができるようになりました。

サイは「間」

わたしは「サイ」は、nTech(認識技術)でいう「」だと思っています。

「サイのものがたり」という絵本の前書きにこんなことが書かれていました。

「サイ」について。。

人が神と関わるための唯一の「装置」なのではないか。。

人と神を「祈り」によって結びつけるための装置。。

まさに、nTech(認識技術)でいう、1から2を生み出す変換装置「間」です。(笑)

サイ=ん

わたしは「サイ」の話をはじめて聞いたとき、めちゃめちゃ感動しました。

真実(1)と現実(2)を疎通させる「間」と同じ役割をしてると思ったからです。

おそらく「サイ」について知ってる方はたくさんいても、nTech(認識技術)の世界観とつなげて「サイ=間」だと認識してる人は(現時点では)だれもいないと思います。(笑)

ちなみに、漢字における ”間” が「サイ」であるなら、ひらがなにおける ”間” は「」です。

「ん」と空海【日本語最後の謎に挑む】  

それと、サイは「器」であることから、0の定義ともつながる話だと思いました。

ゼロと無限大を統一するために必要なこと【1の定義】

まとめ

ここまでの話をまとめます。

  • 「真」の字源は「首」を逆さづりにした死体。自分(の体)は実在しない!という裏のメッセージ。
  • 「武」の字源は「戈(ほこ)」を「止」める。サムライは簡単には刀を鞘(さや)から抜かない。
  • 過去の事実をもとにした「解釈」よりも、未来に向けた「解析」が大事。
  • 「言」の字源は神への誓い。覚悟と意志がともなった「盟誓の辞」
  • 「サイ」の発見により、多くの疑問や矛盾が解消された。
  • 「サイ」は、人が神と関わるための唯一の「装置」
  • 1から2を生み出す変換装置、nTech(認識技術)の「間」と同じ役割をしている。

以上、字源の世界と「サイ」のものがたりについてでした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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